きれいに並べたトランプを端から寄せて一束にし、それを再びきれいに伏せて並べます。その中の一枚を裏返した時に出た絵柄は「偶然」となります。
きれいに並べたトランプを端から寄せようとする時、少し寄せては中断し、重なった絵札の順番をノートにメモしていきます。それが全部終わった時、一束のトランプとその重なりの順番の書かれたノートがそこにはあります。そのトランプを順に再びきれいに伏せて並べます。その中の一枚を裏返す前に、その絵柄はノートのメモを見れば事前にわかって「当然」になります。
そのように、「偶然」と呼ばれているものはトランプを端から寄せて一束にする一枚一枚の空間的位置の時間的な変遷を人間の脳が追いきれないことによって生成されているものであるということがわかります。
拡張現実のゴーグルにトランプの一枚一枚の空間的位置の変遷を追うアプリがあれば、人間という生き物の脳が「偶然」を生成することはなくなります。その代わり、トランプ遊びがとんでもなくつまらない作業になってしまうでしょう。