Dr. Candyの自由研究

いつかの未来の誰かの発想を開くために書き残しておきたいこと

「純粋な形」(2)相対性理論をイメージしやすくする「場」としての光

 感覚としての視覚を取りまとめる脳の中の「アングル」という空間的な情報処理によって見えているのが見かけ上の形であり、真の「純粋な形」はそんな脳の働きの外側の世界に所在している、ありとあらゆる「アングル」で見て取られ得る全ての可能性の一体的重ね合わせ状態が「純粋な形」に相当するということになります。

 だとすれば、ある物体にとっての「純粋な形」はその周囲の全方向から見た見かけ上の形の重ね合わせ状態ということになるし、さらにその重ね合わせ状態は物体までの距離に応じて無限遠まで連続して広がっているということになります。

 ある物体の「純粋な形」が宇宙の全域にまで広がっていると見る時、形というものは光を介して目に見えるということになるのだから、「純粋な形」と光を同じものとして考えれば、光は光速で宇宙を伝播するのではなく、一種の「場」として常に一定不変に宇宙全体に広がっているということになります。

 その上で、ある物体を宇宙に置くとする時、3000万キロメートル離れたところでそれが見えるのは100秒後ということになるのが光速での光の伝播ということになります。しかし、光が「純粋な形」たる一種の「場」として常に一定して宇宙全体に広がっているものと見れば、その物体の形が100秒かけて見えるようになるのはその光の「場」に対して空間の方が一定の傾きを持って進んでいるからということになります。つまり、光の「場」に対する空間の傾きが時間なのであり、その傾きの大きさが光の速さと言われているものに相当するとの視点が開けるということです。時が流れる「現在」は光の「場」と空間との交点に当たることになります。

 空間上をある速度で移動する時、その速度が速ければ速いほど光の「場」に対する空間の傾きが浅くなります。その速度が30万キロメートル毎秒に達した空間の傾きは光の「場」と平行することになります。光の「場」に対して空間の傾きがなく平行した状態では時間の経過がなくなるということになります。また、常に一定した光の「場」に対する空間の傾き方が重力の強さに応じた「時空の歪み」と呼ばれているものに相当するということがわかります。

 光がブラックホールに入ると出て来られないと言われていることを、光の「場」に対する空間の傾きが平行になってぺちゃんこになったために時間の進みがなくなったこととしてイメージする時、ぺちゃんこになったその空間の傾きを徐々に回復させて行く様子を思い浮かべれば、重力の作用が弱まるにつれて空間が広がり、それに応じて時間が進み始めて行く様子もイメージすることができるようになります。

 相対性理論について、光を光速で追いかけたらどうなるのかということを考えてもそのイメージはなかなか沸いては来ないし、ブラックホールや太陽の回りの空間が歪んでいる様子を想像するにも想像しがたいものがあります。しかし、それを光の「場」に置き換えれば、横一本のまっすぐな線(光の「場」)に交わる斜めの線(空間)の傾き方で速度や時間や空間の歪みというものの関係性を容易にイメージできることがわかるし、重力についても斜めの線(空間)の平行方向への曲がり方として容易にイメージできることがわかるでしょう。