Dr. Candyの自由研究

いつかの未来の誰かの発想を開くために書き残しておきたいこと

形而上物理学【第二章・集合状態の表現のオプション】

偶数と奇数を考慮する

 一方、「不特定無数」というその世界の大原則について、それがかぞえることのできないものなのであっても、その集合的な全体性に対してはそれが偶数であるか奇数であるかの区別は表現しうるということになる。同じ集合状態でも偶数である場合と奇数である場合とがあることを考慮すると、同じ集合状態でもその空間的表現がまるで異なって来るという表現のひろがりがもたらされるということになる。

偶状態と奇状態

 不特定無数にわたる集合状態の全幅が偶数であった場合、ウニや渦潮にイメージされる集合状態の集まりの「交点」について、交点を境とした{←逆|順→}はいかなる偶数であっても半々のイーブンになるのだから、その「交点」にあたる位置にビーズは存在していないということになり、集合状態の全幅が偶数であった場合には「交点」がなくなり、その集合状態はばらばらになって1オーダー下の集合状態に回帰してしまうという状態が表現されるということになる。その状態を簡単のために偶状態の「非接触型」の交点と表記することにする。その一方、集合状態の全幅が奇数であった場合、ウニや渦潮にイメージされる集合状態の集まりの「交点」について、交点を境とした{←逆|順→}は{…◯◯●◯◯…}のように〝一つ〟のビーズを交点として繋がり合いを持ち続けるということになる。その状態を簡単のために奇状態の「接触型」の交点と表記することにする。

奇状態における『〝一つ〟の「0」への収斂』

 奇状態の「接触型」の交点というものも「集合的原点」として、自分が原点であるけれども他の全ての原点に係る全てのボリュームでもあるという全ての可能性の重ね合わせ状態を取るということになる。しかし、奇状態の「接触型」の交点は集合状態の全幅の中のたった〝一つ〟のビーズであるということになるのだから、集合状態を成す全てのビーズ(「局在」)にかかる順方向のボリュームと逆方向のボリュームの取り得る全ての可能性の重ね合わせ状態は、全てのビーズにとってありとあらゆる順/逆のボリュームの偏りを取り得る可能性の重ね合わせ状態へと転じ、その集合的なボリュームの偏りの全てがキャンセルされてたった〝1つ〟の原点「0」へと収斂するという状態が表現されるということになる。つまり、奇状態ではないノーマル状態のウニや渦潮では、その中の全てのビーズが原点でもあり他の全ての不特定無数の原点に係るボリュームでもあるという「集合的原点」たる高度な対称性をもっていたけれども、そこに不特定無数が奇数であるとする場合の中心に原点「0」を持った状態が表現されるところに、{←逆|順→}の向きの偏りがキャンセルされることで、集合的原点という不特定無数にわたる重ね合わせ状態の肉の厚みのようなものが原点「0」に収斂して骨組みだけになってしまうという状態が表現されるということになる。それを簡単のために奇状態における『〝一つ〟の「0」への収斂』と表記することにする。

自己再帰的集合状態の永遠の空回り状態「|順→}」

 集合的原点という重ね合わせ状態が〝1つ〟の原点「0」に収斂した集合状態は、ウニや渦潮にイメージされるものが〝1つ〟しか存在していない状態としてイメージされるということになり、そこにその世界における禁じ手である「数」というものが「1」として表現されてしまうことになるけれども、その世界には常に不特定無数の原理が通底しているので、原点「0」に収斂する集合状態は完全に収斂して〝1つ〟になる間もなく不特定無数の集合状態が供給され続けて〝1つ〟の「0」へ向けての収斂が永続するという自己再帰的集合状態の永遠の空回りを続けるということになる。それは上記の「|順→}」という非対称状態と同じということになる。「|順→}」という自己再帰的集合状態の永遠の空回り状態は、形而下における時間、すなわち進むことはあっても逆戻りはしないという非対称的な流れを彷彿とさせるとともに、その自己再帰的集合状態の空回りに係る『〝1つ〟の「0」への収斂』について、どこか一点へ向けてその世界にあるものを引き寄せる作用のようなものとイメージされるということになる。それとともに、集合状態の各オーダーにノーマル状態、偶状態、奇状態のバリエーションがある時、奇状態は「|順→}」の状態を取って集合状態の累次展開を打ち止めにするという形で、その世界の〝壁〟に相当すると見ることができる。

偶状態の「非接触型」の交点

 一方、ウニや渦潮としてイメージされる開/閉の集合状態について、その偶状態のあり方を考えるとすると、ウニや渦潮を構成するビーズの紐やビーズの輪の集合的な「交点」の位置にビーズは存在せず、共通の交点を持たない「非接触型」の交点が表現され、ウニや渦潮という集合状態はその中の不特定無数にわたるビーズの紐やビーズの輪がてんでばらばらになり、ビーズの紐やビーズの輪にイメージされる1オーダー下の集合状態へと回帰するということになる。その状態に引き続き不特定無数の原理を考慮した場合、偶状態の「非接触型」の交点によっててんでばらばらになり切らないうちに不特定無数の集合状態が供給され続けることになり、そこに自己回帰的集合状態の永遠の空回り状態としての「{←逆|」という非対称状態が表現されるということになる。それも「|順→}」と同様の理由でその世界の〝壁〟に相当すると見ることができる。

各集合状態の偶状態と奇状態

 そのように偶状態と奇状態というもののもたらす空間的表現を概観する時、そこには開/閉の三段階にわたる累次展開による6つの集合状態があるのだから、それぞれの集合状態において各様の偶状態と奇状態とが表現されるということになる。そこに表現される新たな空間的表現の数々にも、形而下の現実生活上の世界に見られる基本的な現象を連想させる表現が散見されるということになる。

第一段階の集合状態の奇状態

 まず、第一段階のオーダーの集合状態である[開/閉の開いた集合状態]と[閉じた集合状態]の奇状態について、[開/閉の開いた集合状態]の全幅が奇数であったとしても、そこにはそれを交点とする他の[開/閉の開いた集合状態]は存在しないのだから、『〝1つ〟の「0」への収斂』は表現されず、何も起こらないということになる。一方、[閉じた集合状態]の奇状態について、それを回転の自由度のようなものとしてイメージする時、分度器の180度や360度という偶数がもし奇数であったとしたら、一回転した後に向いている向きは元の向きよりもプラスかマイナスにずれるということになる。そのようにイメージされる状態が[閉じた集合状態]の成す閉じた{←逆|順→}に表現されるところに、位相のずれというような波の性質の一端にイメージされるものが重ねられなくもないということになる。

第一段階の集合状態の偶状態

 次に、[開/閉の開いた集合状態]と[閉じた集合状態]の偶状態について、[開/閉の開いた集合状態]の全幅が偶数であったとしても、そこにはその「非接触型」の交点とで擦れ違う他の[開/閉の開いた集合状態]は存在しないのだから、集合状態がばらばらになる「{←逆|」は表現されず、何も起こらないということになる。一方、[閉じた集合状態]の偶状態について、それを回転の自由度のようなものとしてイメージする時、それが分度器の180度や360度のように、一回転した後に向いている向きが元の向きと同じになるという現実生活で実感される向きや回転の概念にそのイメージが重ねられるということになる。

第一段階の集合状態の[偶/奇/ノーマル]の重ね合わせ状態

 さらに、第一段階の集合状態が偶状態でもあり奇状態でもありノーマル状態でもあり得るとの、偶/奇/ノーマルの可能性の重ね合わせ状態を表現すれば、[開/閉の開いた集合状態]の不特定無数の全幅が偶数でも奇数でもノーマル状態でもあり得るという可能性の重ね合わせ状態の下に、その可能性の重ね合わせとしての取り得る状態として{ー/0/+}というビーズ一つ分の偏りが表現されるということになる。[閉じた集合状態]も同様、その可能性の重ね合わせとしての取り得る状態として{ー/0/+}というビーズ一つ分の偏りが表現されるということになる。その状態のイメージはイオンや電荷のようなものと重ならなくもないということになるし、足し算や引き算のイメージとも重ならなくもないということになる。

第二段階の集合状態の偶状態と奇状態

 次に、第二段階の集合状態について、それが上記の[開/閉の開いた集合状態]に「集合的原点」が表現された状態の不特定無数にわたる集合状態であることをもって、不特定無数にわたる[開/閉の開いた集合状態]には、偶状態の場合に「非接触型の交点」が表現されることでそれらがてんでばらばらになって1オーダー下の集合状態へと回帰するということになるし、奇状態の場合には『〝1つ〟の「0」への収斂』が表現され、〝1つ〟の原点「0」を持つ[開/閉の開いた集合状態]という1オーダー下の集合状態へと回帰することになる。しかし、そこに不特定無数の原理を考慮すれば、[開いた集合状態]は不特定無数にわたって無尽蔵に供給されることにより、それらが〝1つ〟の原点「0」へと引き寄せられ続けられてそれが永遠に終わらないという、自己回帰的集合状態の永遠の空回り状態たる「{←逆|」の非対称状態が表現されるということになる。また、それらに「偶/奇/ノーマル」の重ね合わせ状態を考慮すれば、ビーズの紐やビーズの輪にイメージされるそれらにも{ー/0/+}というビーズ一つ分の偏りが表現されるということになる。さらに開/閉の重ね合わせ状態を考慮すれば、ビーズの紐とビーズの輪とが一体となったものを螺旋の進みとしてイメージする時、波でもあり粒子でもあるという量子というものが向きを揃えて寄り集まったり分裂したりといったイメージが、想像上においては重ねられなくもないということになる。

第三段階の集合状態の偶状態と奇状態

 第三段階の集合状態について、ウニにイメージされる[開の開いた集合状態]×[閉の閉じた集合状態]に奇状態として『〝1つ〟の「0」への収斂』が表現されれば、不特定無数にわたってありとあらゆる方向を向いて伸びているウニの針([開の開いた集合状態])の全てで上記の第二段階の集合状態の奇状態と同じことが表現されるということになる一方、偶状態として「非接触型の交点」が表現されれば、全てのウニの針([開の開いた集合状態])がてんでばらばらになって第二段階の集合状態への回帰するということになる。また、渦潮にイメージされる[閉の開いた集合状態]×[閉の閉じた集合状態]、つまり輪の中に輪があることで〝渦潮〟たる閉じた螺旋の様態を成す集合状態について、それに奇状態として『〝1つ〟の「0」への収斂』が表現されれば、閉じた螺旋の中に綾を成して潜在する、[閉の閉じた集合状態]というありとあらゆる向きの自由度にイメージされる状態のかかったありとあらゆる向きを向いた全てのビーズの輪についても、上記の第二段階の集合状態の奇状態と同じことが表現されるということになる。その表現に想像を膨らませる時、上記の第二段階の集合状態の寄り集まりや分裂にイメージされる表現が、ありとあらゆる向きを向いた状態としてイメージされるということになる。一方、その偶状態として「非接触型の交点」が表現されれば、全てのビーズの輪はてんでばらばらになって第二段階の集合状態へと回帰するということになる。それらにも「偶/奇/ノーマル」の状態の重ね合わせにかかる{ー/0/+}の偏りが表現されるということになる。以上が各オーダーの集合状態それぞれの偶状態/奇状態の表現ということになる。